
こんにちは!サトルです!
試合中にふとしたタイミングで始まる挟殺プレー。
「アウトにできるはずのランナーだったのに」と悔やむ結果になったことはありませんか?
今回は挟殺プレーに関する7つのポイントと、試合中にそのポイントを確実に実践するための練習方法について解説していきます。
試合中に後悔しないためにも、今しっかり理解しておきましょう!
試合中に挟殺プレーが始まって、こんな経験をしたことはありませんか?
- せっかくアウトにできるチャンスを逃してしまった。
- 挟殺プレーでエラーしてランナーを先の塁に進めてしまった。
- 1つの塁に2人のランナーがいて、どちらがアウトになるにか分からなかった。
これらを解決するために、この記事では”挟殺プレーの基本”と”1発で仕留めるための7つのポイント”を解説していきます。
挟殺プレー(ランダウンプレー)の基本的な考え方

7つのポイントの前に、挟殺プレー(ランダウンプレー)に対する基本的な考え方を知りましょう!
挟殺プレー(ランダウンプレー)とは、塁間に飛び出したランナーを野手で挟み込んでアウトにするプレーになります。
挟殺プレーはいつ発生するのかなかなか予想できず、ふとしたタイミングで発生します。
また、ランナーが1人しかいない場合の挟殺プレーなのか、ランナーが複数人いる場合の挟殺プレーなのかで、基本的な考え方が変わってきます。
ランナーが1人だけの挟殺プレーでの考え方
ランナーが一人しかいない場合には、守備側はその1つのアウトをとることに集中します。
基本的に、この場面では、野手と走者とでは次のようなことを考えます。
- 守備:急がず確実にアウトにしたい
- 走者:どうにかしてミスを誘ってセーフになりたい
この考え方が何を意味するかというと、挟殺プレーが長くなりがちということです。
走者はミスを誘うために長い時間挟まれていようとします。そうすることで野手のプレー機会が増えてミスの確率が上がりますよね。
一方守備側は、ランナーは一人しかいないし急がず確実にアウトにしたいという心理から、ボールを投げるタイミングが早くなり、やりとりの回数が増え、アウトするまでに時間がかかることが多くなります。
しかし、送球や捕球の機会が増えるということは、エラーの確率も増えることから、できるだけ少ない送球で素早くアウトにすることが、挟殺プレーの基本と言えます。
ランナーが複数人いる場合の挟殺プレーの考え方
一方、ランナーが複数人いる場合にはどうでしょう。
- 守備:他のランナーが動くまえに挟んだランナーをアウトにしたい
- 走者:他のランナーが先の塁に進めるように、なんとか時間をかけたい
このように、ランナーが複数人いる場面では、挟まれていないランナーの動きも注意する必要がでてきます。
どこの塁で挟殺プレーが発生し、他のランナーがどの塁にいるのかによっても考え方はかわってきますが、基本的には挟んだランナーを少しでも早くアウトにできれば、ランナーに余計な進塁を許すということはなくなる可能性が高いです。
したがって、この場面でも、挟んだランナーをいかに素早くアウトにできるかというのが基本的な考え方になります。
挟殺プレーで素早くアウトにするための7つのポイント

お待たせしました!
ここからがいよいよ挟殺プレーのポイントになります
!
ここまでで、「挟殺プレーは少しでも早くアウトにすべき」という考え方が分かりましたね。
それでは、どうやってそれを実践するのか、7つのポイントを見ていきましょう。
- ランナーに一生懸命走らせる!
- ボールは投げ手に持って走る!
- 絶対に偽投はしない!
- ボールを投げるタイミングは受け手が決める!
- 受け手はベースより2歩以上前に出る!
- ランナーは若い塁側に追い込む!
- 塁の占有権を理解する
以下でひとつづつ解説してきます。
①ランナーに一生懸命走らせる!
これが挟殺プレーにおいて一番重要です!
皆さん自分がランナーだとして想像してみてください。アウトにならないために、ボールを持った野手を見ながら背走したり横走りしたりしませんか?
これをさせないために、野手はランナーを一生懸命全力で追うのです。そうすると、ランナーはボールを持った野手から目を切り、背を向けて一生懸命走って逃げるしかありません。
全力疾走しているランナーは、そう簡単には切り替えしができないため、そこでボールを持った野手はランナーの走る先にいる野手にボールを投げて、タッチアウトするのです。
また、塁の中間で立ち止まって、野手の様子を伺うようなランナーの場合も、ボールを持った野手がはじめから全力疾走で追えば、近づいてからランナーが走り始めたとしても必ず追いつくことができます。(慣性の差ですね!)
まとめると、ボールを持った野手が全力でランナーを追うことによるメリットは次の通りです。
- 高い確率でランナーに追いつきタッチアウトできる。
- ランナーを全力で走らせれば、簡単に切り返しできなくなるため、そこでアウトにする。
②ボールは投げ手に持って走る
これも必ずやってください。
挟殺プレーでは、まずボールを持った野手がランナーを追い、ランナーが追われて走る先にそれを待ち構える野手(受け手)がいます。
そのボールをもってランナーを追う野手は、ボールを投げる手(右投げであれば右手)にボールを持って、受け手にそのボールを見せながら走りましょう。具体的には、スナップスローをやるときの腕の高さ(ボールの位置は頭の横)で固定して走ります。
これを行うメリットは次の2つです。
- いつでも投げられる(グラブにボールを持っていると、投げたいときに遅くなる)
- 受け手側が、いつボールが来るか分かりやすい
③絶対に偽投はしない
これも必ず守ってください。
おそらく、偽投したい人の心理としては、ランナーを惑わせたいのだと思います。
しかし、ポイント①を実践しランナーを全力疾走させていれば、偽投しても意味がありません。むしろ、味方であるはずの野手(受け手)を惑わすことになってしまいます。
この後解説しますが、挟殺プレーにおいて大切なことは、追う側の野手と受け手側の野手の意思疎通と7つのポイントの共通認識になります。
このため、偽投して見方を惑わせていてはエラーの原因となってしまうため、絶対にやめましょう。
④ボールを投げるタイミングは受け手が決める
これはチームとして意識統一しておかないとミスの原因になりますが、これをやることにより、ほぼ確実にランナーを一撃でアウトにすることができます。
挟殺プレーで追う側の野手がボールを投げたときのランナーの動きを想像してみてください。
例えば1・2塁間で挟まれていたとして、1塁側に追われて走っていた場合、追う側の野手がボールを投げた瞬間、ランナーは切り替えして2塁に走り始めようとしますよね。
この時にボールを受け取った1塁側の野手よりも、ランナーの方が早く2塁に向かってスタートを切れば、野手と走者が同じ走力であった場合には追いつくことができません。
しかし、ランナーが切り返すよりも早く、ボールを受け取る側の野手がスタートを切っていれば、ランナーに追いついてタッチすることができます。
したがって、ボールを受け取る側の野手は、スタートを切りながらボールを受け取る必要があります。
これを可能とするために、追う側の野手がボールを投げるタイミングは、ボールを受け取る側の野手によって決めるのがポイントです。
具体的には、次の通りの流れとります。
- ボールを持って追う選手は、いつでも投げられる姿勢で全力で追う
- ボールを受ける野手は、ランナーが近づいてきたら、「投げろ!」と叫ぶと同時に走り始める
- ボールを持って追う選手は、「投げろ!」の声が聞こえたら、受け手側の野手にスナップスローする
⑤受け手はベースより2歩以上前に出る!
ここから先は、もしミスが出てしまった時の保険的なポイントになります。
ポイント④において、ボールを投げるタイミングは、受け手側が「投げろ!」と叫んで走り始めたときであると決めました。
しかし、タイミングを見誤り、もしランナーと近すぎた場合などでは、ランナーは切り返すことなくそのままベースに向かってスライディングしてくる可能性もあります。
このような場合に、もし受け手側の野手がベース上で待っていては、タッチの差によりセーフになる可能性が出てきてしまいます。
これを防ぐために、受け手側の野手はベースから2歩以上前に出て待つようにしましょう。
こうすることで、もしランナーが切り返さずにそのまま向かってきたときも、ランナーがベースに触れるより前にタッチアウトできる可能性が高まります。
⑥ランナーは若い塁側に追い込む
これもミスしてセーフにしてしまった場合の保険的なポイントですが、非常に重要な保険ポイントになります。
例えば、3・本塁間で挟殺プレーが発生した場合を考えると、本塁側でセーフにしてしまうと失点につながってしまいます。3塁側でセーフにしてしまったとしても、アウトにできるチャンスを逃したのみで、まだ失点にはつながりません。
以上のことより、ランナーを追い込む位置は、数字の若い塁側ということを基本にしてください。
⑦塁の占有権を理解する
これは、保険的な意味合いでもありながら、守備側としては2つのアウトを取るチャンスとも考えられます。
まず、塁の占有権とは、ランナーが安全にその塁に留まることができる権利になります。
1つの塁に対して占有権を持てるランナーは1人だけのため、2人のランナーが1つの塁に安全に留まるということはできません。
ということは、挟殺プレーなどにより、1つの塁に2人のランナーが触れている場合には、どちらか一人のランナーはタッチされればアウトになるということです。
この場合、塁の占有権があるのは、先にその塁にいたランナーです。当然ですよね。
簡単に考えましょう。
野球というスポーツにおいて、ランナーは常に一つでも前の塁を狙っています。このため、ある1人のランナーに与えられる塁の占有権は、至近で触れた最新の塁へ更新されていきます。
そこに後続のランナーが追いついてきたとしても、前にいたランナーが先の塁に進めていないのであれば、先にその塁にいたランナーの占有権は更新されていないため、後続で追いついたランナーに占有権が更新されることはありません。
したがって、ランナー2・3塁の場面では、3塁ランナーがホームインするかアウトにならない限り、3塁ベース上の占有権は3塁ランナーにあるため、3塁ベース上に2塁ランナーと3塁ランナーが同時に触れていた場合は、2塁ランナーがタッチされればアウトになるということです。
さて、野球選手全員がこのルールを理解しておかなくてはいけませんが、中には理解していなかったり、試合中の緊張から混乱する選手がいることも少なくはありません。
守備としては、これを利用して2つのアウトを取る方法を試す価値はあると思いまうす。
具体的な方法は次の通りです。例えば、3塁ベース上で2塁ランナーと3塁ランナーが同時に存在している場合を想定しましょう。
- 3塁ベースまで追ってきた野手はまず2塁ランナーにやさしくタッチ(ここで2塁ランナーはアウトになる)
- その後、3塁ランナーに対して、大きな声で「アウトー!!」と言いながらタッチする。
- 本来占有権がありセーフであるはずの3塁ランナーが、勘違いして塁から離れた場合、素早く再度タッチする。(声を出して審判へのアピールも忘れずに)
- これにより、2つのアウトをとることが可能となる。
以上が、挟殺プレーの7つのポイントでした。
挟殺プレー(ランダウンプレー)の練習方法
最後に、これら7つのポイントを試合で実践するための練習方法を伝授します。
7つのポイントの中でも解説しましたが、挟殺プレーを1発でアウトにするためには、チーム内の選手全員が意識統一しておく必要があります。
このためには、たまに練習するのではなく、日ごろから繰り返し行い、体に染み込ませて覚えさせる必要があります。
そこで、どんな野球チームでも必ず行うキャッチボールの後に、3分だけでもいいので必ず挟殺プレーの練習を行いましょう。
具体的な方法は次の通りです。練習名は、「無限挟殺!」です(^^)
- 野手は2つの塁に分かれる。(人数が多いチームは複数個所で行いましょう)
- ボールを持った選手が全力で走り始める。
- ボールを持った選手が塁間の中間あたりまで走ってきたら、受け手は「投げろ!」と声を出すと同時に全力で走り始める。
- ボールを持った選手は、受け手の「投げろ!」の声を聞いて、スナップスローする。
- 受け手はボールをキャッチすると、「アウト!」と声を出してランナーにタッチする動作を行う。
- タッチ動作をしたあとは、素早くボールを投げる側の手に持ち換え、頭の横の位置に保持して全力疾走する。
- これを無限に繰り返す。(誰かがエラーするまでor決まった時間がくるまで)
これで、皆さんも挟殺プレーを味方につけて有利な試合運営を行ってください♪
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